すべての反応には意味がある



ヒトに限らず動物は精神的なストレスに晒(さら)されると交感神経が働いて闘争/逃走反射(反応)を起こします。反対に、安全な環境下では副交感神経が働いて回復/学習/記憶を促進させます。

また、骨格筋を制御する神経系とは違い自律神経系は周りの状況(環境)に応じて反射的に働く様にできているため意識的に制御することはできないのが特徴です。分かりやすく言うと、本能に根差した神経システムなのです。


ストレス過多で体調を崩した経験のある方は、特にこれといった体の異常が見つからず「規則正しいい生活をしてください。」とか「仕事の環境を変えてみては?」とか「もっとリフレッシュしてください。」と言うアドバイスをお医者さんから受けたでしょうし、場合によっては向精神薬を処方されたのではないでしょうか。


しかし、その「なんとなく・・・」は生理機能が変化した重要なサインです。

環境に適応する術

交感神経の闘争/逃走は一見『戦闘』を想起させますがそうではありません。自然のバイオリズムの中で日中体の覚醒を促し、行動に伴う飢餓や精神的・肉体的ストレスを軽減する様に働くシステムです。つまり、環境に“抗う”のではなく“適応する”様に作られました。そして段階的に生理機能を変化させあなたの行動に影響を与えます。


爬虫類や哺乳類の中でもネズミの様な齧歯類は、生命を脅かされる様な交感神経が最高潮に活性化される場面において“死んだふり”をして難を逃れます。対してヒトは、大脳を持つため仮死状態を作り出すことはできません。代わりに解離失神と言う手段を取ります。


この反応は異常などではなく正常な自己防衛反応なのですが、交感神経がかなり振り切った状態であり、ヒトの様な複雑な神経システムを持つ動物にはトラウマとして記憶されるため回復を困難にさせると言う欠点があります。


ポージェス氏も言っていますが、そうした問題で苦しんでいる方は正しく反応した自分自身を褒めてあげてください。そして、周りの人はその人が安心できる環境を作ってあげましょう。

・・・つづく

参考:ポリヴェーガル理論 入門 ステファン・W・ポージェス著