スマホっ首
更新日:2021年1月8日
スマホっ首は以前までストレート・ネックの名で知れ渡っていました。世の中のトレンドに合わせて病名も変わるようです。それだけ首に掛かるストレスを何とか解消できないかと皆さん思っているのでしょう。
それに伴うケアや対処法も紹介されていますが、原因を正しく理解して専門家に任せる事も手段として覚えておいて下さい。
構造の弱点
体の構造は一番重たいパーツとされる頭を効率良く支える様に出来ています。そして、ひとつひとつの背骨同士は背中側にしか付いていない関節によって固定されています。
想像力を働かしてみてください...

あなたは風船の上に座っていて片足だけ地面に着けて体を支えているとします。
支えている側に重心が傾いても問題ありませんが、支えのない側に重心が行けばバランスを崩し風船から落ちてしまうでしょう。
脊柱もこれと同じように腹側には支えが無いので弱点となります。
緊張する筋肉

スマホっ首はレントゲン画像で観るとこの様に生理的弯曲と呼ばれる前弯が無くなっています。一見するとキレイな並びをしていて問題なさそうですが、関節同士が噛み合っていないので頭を支えきれません。
また、このモデルさんの場合、一番上の第1頚椎だけが軌道から逸れています。中を通る脊髄はこの位置で折れ曲がりテンションが掛かっていることが予想されます。
一方、正常な頚椎は滑らかな前弯と共に関節で支えられていることが分かります。
首を治療しても治らない
生理的弯曲のもう一つの役割は脊髄の保護です。
背骨は中心に管状の空間がありその中を脊髄が通っています。兆度、五重塔の心柱の様な状態です。

脊髄が管の中でスルスル自由に動けると生理的湾曲が消失しても問題ないのですが、管の間からは神経根と言う枝が伸びている為、靭帯で背骨と固定されているのです。
曲がっている物が真っ直ぐなると距離が伸びます。伸びた分だけ脊髄にはテンションが掛かることになります。ですが、果たして首がスマホっ首になっただけで脊髄にテンションがそれ程掛かるでしょうか?
そうです!
普通に考えて、脊柱全体の特に胸の弯曲が消失することで脊髄には大きなテンションが掛かり生理的な影響を様々に起こすのです。