産後の骨盤矯正
更新日:2021年1月8日

「赤ちゃん産んでから腰が痛い。」とか、「…ガニ股になった。」とかの理由で骨盤矯正をするのも勿論良いのですが、出産で受ける体のダメージや矯正の意味を知って利用するのをお勧めします。なんでもそうですが、納得してやる方がお互い(お客様と術者)良い関係を築けます。

リラクシンの作用によって骨盤の恥骨結合、仙腸関節の靭帯、骨盤底筋が緩まり、赤ちゃんが産道を通るとオキシトシンの作用によって骨盤は自然と元の形に戻る。これが出産時における正常な骨盤のサイクルです。因みに、オキシトシンは母乳の出を促したり、子供への愛情と深い関係があるホルモンとされています。
産後に体形が戻らなかったり、体調を崩したりする方の多くは骨盤の戻りが良くありません。また、次の妊娠へ向けての体作りとしても骨盤が正常に戻る過程は重要です。産科や整体院などが紹介する解決法として「骨盤引き締め」もありますが、本来、自然と戻るものであり、正常に戻らないこと=体の異常 であると認識することが大切です。
人間の体は多くの感覚器(センサー)によって筋肉や靭帯、骨の長さや張力、位置を監視し、全身を制御しています。
妊娠・出産は命を懸けた大変な営みです。これまで決して経験したことの無いストレスを負うことになります。妊娠以前に体調を崩していたとすれば、すでにセンサーが狂っていたことになり出産がきっかけでより悪くなるでしょう。(出産によってセンサーが正常化する場合も稀にあります。)妊娠による急激な体型の変化や、出産のイキみなどがきっかけで急性にセンサーの異常が現れることもあります。

骨盤を支えるセンサーは第3腰椎-仙骨に伸びる馬尾神経が支配しています。その他にも、股関節や骨盤の傾斜を制御する筋肉は腸腰筋です。出産後は骨盤だけではなくて、母胎を支える全体をケアしてあげることが母親の健康と次の妊娠のための健康な体作りに大切です。